筑紫平野の太宰府の背後にそびえる宝満山は、福岡県を南北に貫く三郡山地の山のひとつ。北の若杉山まで仏頂山、三郡山、砥石山と連なって、筑豊との分水嶺をなしている。
古くは御笠山と呼ばれ、またの名を「竈門山(かまどやま)」といった。カマドから煙が立ち昇っているような形に見えるのでそう呼ばれたとか。山麓に竈門神社が鎮座して、山頂には上宮の祠がある。祭神は玉依姫、八幡神、神功皇后である。
山伏の修験道の聖地として数々の遺跡が残り、百段がんぎ(階段)や吉田屋敷跡などが太宰府からの登山道の途中にある。中宮跡は宝満山の中心で、左に行けば羅漢巡りのコース。中央の岩場が男道で、昔の山頂までの険しい道。現在は右へ巻いて登っている。太宰府からの正面登山道の他に、北東側の大石や筑豊の茜家、柚須原からも登山道が開け、いずれも2時間から3時間で山頂。